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来年の手帳(2011)

来年の手帳を通販で購入した。

クオバディスのエクオロジー、、、エコロジーとクオバディスのクオを引っ掛けたネーミングに脱帽 😛

カバー、紙、インクとすべてこだわっているようで、中身だけの販売はない。

注文したのはいつもどおりオレンジ。ただルナのオレンジと比べるとずいぶん赤っぽい。開封した時、間違えて赤が届いたんじゃないかと思ったほど。このカバーも土に埋めておくと分解されるエコ仕様とのことだ。手触りは、革とまでは行かないけれどソフトタッチ。

見開きには、どれほどエコ仕様かの説明が書かれている。

マンスリーカレンダー。以前のクオバディスにはこれがついていなくて、ユーザーは仕方なしにダイゴーのマンスリーみたいな超小型のマンスリー手帳をはさみこんで使っていたが、数年前からジャパンエディションに限りつくようになった。

ウィークリーはおなじみのバーティカル。

拡大していただくとわかるように、再生紙なのでところどころゴミが入っていて、漂白したような白い紙ではない。

こうなると、特に万年筆ユーザーにとって心配になってくるのが滲みと裏抜けだが、ペリカンのBBカートリッジで書いたところ、どちらもおきなかった。

Pelikan Souveran 800

今はコンピュータのワープロ専門ですが、以前手書き原稿を書くときに使っていてもっとも手に馴染んだ一本といえるのがこの「ペリカン・スーヴェレーン・800」です。

DSCF0573

ペン先はM(中字)ですが、外国モノは国内よりも若干太めなので、パイロットの万年筆でいう太字ぐらいの太さがあります。ノートにMだと太すぎますが、原稿用紙の桝目にはちょうどいい太さです。万年筆というのは細くなればザラザラ、よくてシャリシャリする傾向にあり、太くなればヌルヌルするのですが同時に筆記角度が限定されてくるわけです。これを上手く研いで解消したのがフルハルターさんなのですが、私のは町の店で買ったものです。

現在、原稿用紙で書く機会が減ってしまったので、宛名書きに使っています。葉書の宛名にちょうどいいサイズなので重宝しています。

書いた宛名を写すわけにも行かないので、手遊びで書いた漢詩を写してみました。曹植の「野田黄雀行」の第一連、

sousyoku

高樹(こうじゅ) 悲風(ひふう)多く
海水 其の波を揚ぐ
利剣 掌(たなごころ)に在らずんば
友を結ぶこと 何ぞ多きを須(もち)いん

という漢詩です。

これより太い場合、ドイツ系の万年筆は横に広がる(つまり横線に比べて縦線が太くなる)ので、どちらかというとアルファベット向きになります。

Stipula I Castoni Agata

「イ・カストーニ」はイタリアの万年筆メーカー、スティピュラの製品です。このペンの特徴は美しいレジンの軸と、クリップに埋め込まれた貴石で、これはagata(agate; メノウ)が埋められています。軸は光の当て方で茶にも緑にも見える綺麗なもの。現行品ではずいぶん整理されてしまっていますが、これを手に入れた当時はかなり何種類も出していました。私はこのメノウのほかにアメジストも求めて買いました。メノウが埋め込まれたクリップがこれです。

i castoni 2

ペン先はBですが、購入した川窪万年筆にお願いしてスタブに研いで貰いました。スタブとは先が扁平になったペン先で縦に太く横に細い字が書けるのが特色ですが、これを斜め45度に構えるとカリグラフとして使え、真横に持てば写譜ペンとして使えるわけです。実際にこのペンは写譜ペンとして利用しています。

i castoni 1

インクも豊富に流れぬらぬらした書き味なのですが、イタリア物によくある通り工作精度がいまひとつです。このペンの場合クリップとキャップの接合部分に隙間があるらしく(息を吹き込めば分かります)、インクを入れたまま放置しておくといわゆる「煮詰まり」を引き起こしてインクが濃くなります。しかもサックス用の譜面の場合水がかかる可能性を考え、耐水性のある古典BBインクを使わなければならないので面倒です。以前の記事でも書いたとおり詰まりやすいんですね。仕方がないので楽譜はなるたけまとめて書くようにし、書き終わったらこまめに水洗いをしています。

Lamyの古典BB

万年筆のブルーブラックインクにはカラーインクといって、その他のインクと同様に水で流れてしまう、ただ色だけがブルーブラックであるものと、鉄の性質を利用していったん色が定着すると水で流れず、ちょっと黒変するいわゆる「古典ブルーブラック」があります。現在市販されている古典BBはモンブラン、ペリカン、そしてラミーです。パイロットのBBも耐水性がありますが、これは古典BBとは違った原理によるものだそうです。そのほか、ちょっとマニアックなNoodler'sの「リーガルラピス」も耐水性がありますが、これが古典かどうかはまだ使ったことがないので分かりません。

上記三つのBBのうち、モンブランはもっとも青みが強く、ペリカンは薄墨のような色合いなのに対して、ラミーは茄子紺のような色合いです。もちろん古典BBなのでカラーインクのように大きく色合いが違うことはないのですが。現在私は、モンブランのペンには仕方なしにモンブランBBを入れていますが、そのほかのペンでBBを使いたいときはラミーを試しています。

ラミーのBBはまずボトルが特徴的で、トイレットペーパーのようなロールペーパーがついています 😛

lamy blue black

一見大きいのですが、駒のような形で横に平たくなっていて、底のほうはちょっとしたくぼみになっています。これは上げ底をしているわけではなく、そのくぼみにインクが溜まるので、最後までとは言わないにせよ最後のほうまで吸い上げて使うことが出来る仕組みです。ボトルの周囲を取り囲むペーパーはいわば吸い取り紙で、インクを吸った時にペン先に付着した余分なインクを取り除くことが出来ます。紙は二重構造になっていて表はつるつるしてあまりインクが染みないように、裏はケバケバしてインクを吸い取りやすいようになっており、使うときは裏面をペン先に当てればよいわけです。

色あいはこんな感じ(大きい画像なのでクリックしてください)。
lamy script

Pelikanスーベレン400のFを使って書きました。

耐水性のある古典BBを使いたいときは、ボトルでなくてはなりません。カートリッジでは空気を通す必要があるため古典BBは保存が利かないそうです。したがってモンブラン、ペリカン、ラミーでも、カートリッジのBBはカラーインクで水に流れます。また比較的難しい性質のインクであるため、長い間入れっぱなしで放置しておくと、確実に詰まります。私自身詰まらせた経験は数知れず。万年筆を使うことに馴染んでから利用したほうがいいと思います。

Parker Duofold

この前後輩と話していて、彼も最近万年筆に凝っているらしく(私が火に油を注いだようなもんなんですが)、「次に買うペンは何がいいだろう?」という話題になりました。そもそもこの時点で、普通の人からしたらおかしい。普通ペンなんて必要なものを一本あるいは用途に合わせて数本用意して使い続け、それを補充するような形で買っていくものです。「次に買うペン」などといっている彼も私も、もう立派な万年筆オタクなわけです。

そんなわけで、候補として挙がったのがParker, Pelikan, Watermanだったのですが、今日はjazzのブログでもCharlie Parkerのことを書いたのでパーカーを取り上げてみようと思います。私は三本ほどパーカーの万年筆を持っているのですが、どれも中古品。うち一本がデュオフォールド、二本がパーカー51(それぞれエアロメトリックとヴァキューマティック)です。もうこんなジャーゴン使っている時点で駄目ですね 😛 このうち今日はDuofoldを紹介しましょう。

Parker Duofold

これはペンの病も膏肓に入っていた頃、スウェーデンのペン商でパーカー研究家のTony Fischierから買った物です。1920?30年代のデュオフォールドというのはどれも高価で手が出ないものが多いのですが、ネットサーフをしていて見つけたこのサイトでは、言っては悪いけれど中国の偽造品みたいな値段で売られていたわけです。しかしこのサイト主Tonyの知識量は半端でなく、まじめに研究していることが窺えたのでドネーションの意味もあって一本購入してみました。(その後Parker51もここで買います)

uncap

ペン先もしっかりしていましたがイリジウムがかなりなくなっている。30年代の製品だとして70年以上経ているから仕方ないのですが。また非常に硬いペン先です。インクの補給方式ですが、ボタンフィラーといって軸尻にボタンがついていて、ペン先をインク壜につけそのボタンをピコピコ押していくと、内部の金属がペコペコ動いてゴムサックを押すのでインクを吸い上げるわけです(正確には、押しつぶされたゴムサックが復元する時に吸い上げるのです)。

button

ある日全然吸い上げなくなったので分解してみたら、ゴムサックがもうヘタってしまって復元力がなくなっていました。Tonyに相談のメールを送りつつ自分でも直しかたを調べたら見つかり、大至急ペン用ゴムサックとシェラック(接着に使います)を購入して自分で直しました。

半ば骨董品なのでバリバリ現役使用をすることはないですが、たまにペン先をインクに浸して文字を書いたりしています。

暑中見舞いを書いていると

暑中見舞いを書いていたら、ずいぶんと涼しくなりました。梅雨空で、日が翳って涼しいってだけならいいんですが、あちこちでいろんな被害が出ているので気の毒です。

暑中見舞い

去年から、暑中見舞いはこのペンで書いています。Pelikanのアテネ。アテネオリンピックにちなんで作られたペンです。色がいかにも涼しげなので使うようにしていますが、インクが暑苦しい色ではいけないので、インクはウォーターマンのサウスシー・ブルーで。いわゆるターコイズ色、あるいは水色です。サウスシー・バブル(南洋泡沫会社)となってくると、西洋史の友人が熱帯低気圧のごとく東シナ海を北上してこっちにうるさく言ってきますが、サウスシー・ブルーなのでいまのところ大人しくしてくれています。しかし、絶対この二つの単語、引っ掛けているよなぁ・・・(笑)

Montblanc 149

私は特にモンブランに思い入れがあるわけではないですが、ネット記事や書籍を読むとどうしても目に付くのがMontblanc 149です。やれ「万年筆の最高峰」だ、やれ「本物の作家はこれを使う」などうるさいんですね。で、作家ではないのだから無視していればいいんだけれど、そうやって書き立てられるとどうしても気になってしまう。気になると夜も眠れない。もう、149をすっぱり買うか、それとも149とは「一生買わないという形」で付き合うかなどと、非常に屈折した感情に支配されてくるわけです。

「これは精神衛生上、よろしくないなー」などと考えていたとき、恒例となったモンブラン値上げの噂が飛び込んできたので、もう躊躇せずにエイヤと購入したのがこれです。

montblanc 149

しかし大げさなハコ。

montblanc 149

ペン先はBですが、太いしフルハルさんの所で解説されているように筆記角度が非常にシビア。ちょっと傾けるともう書けなくなる。ただのBなのにスタブのようなペン先。かえすがえすも汚い字ですが筆跡はこうなります(インクは写真に写っている純正のロイヤルブルー。モンブランだと純正以外を入れるのが怖くて)。

monscript

太いペン先ならフルハルさんで有償で研いでもらうのを前提で買うか、そうでなければMまでにしておいたほうが無難ですね。上の箱入りの写真、実は撮影用に箱に入れたのではなく、ずっと仕舞っておいたので箱から出す前に一枚パチリと撮ったのです(インクはわざと置きましたが)。普段はほとんど使いません。年賀状のシーズンだけ箱から出して使います。本当は最初に無理して使って馴染ませるという努力が必要なのですが、なかなかそうも行きません。

Montblancが悪いといっているのではありません。Bニブなので、それじゃなくても使いづらいのに、さらに使う場面が少なく、なじませる機会がないため、いつ使っても、「買ったときのような使い心地の悪さ!」という悪循環に陥っているんでしょう(笑)。またいずれ146のMとEF、そして古いジェネレーションについての記事を書きますが、これらはいつも手元で活躍しています。

Pelikan 200 と Fiesta Red

採点のときはラッション・ペンやペンテルのサインペンのようなフェルト・ペンを使います。万年筆で丸やチェックをシャッと書くとペン先が痛みそうだし、おまけにやはり疲れるんですね、フェルトペンほどは当たりが柔らかくないから。

しかし、たとえば何かコメントを書き加えたりしなければならないときはフェルト・ペンでは字が太くなりすぎるので万年筆の出番となるわけです。

いま採点のコメントやペーパーの校正用に使っているのが見るからに赤いPelikan Traditional 200スケルトン(通称ペリスケ)の赤軸です。スチールペン先ですが当たりが柔らかく重宝しています。ペン先はM。ほとんど気を使わないペンですが、さすがに採点時の激しいストロークはペン先によくないと思います。

pelikan200

隣に写っている瓶はインク瓶で、"Private Reserve Fiesta Red"です。このフィエスタ・レッドは昔の"Omas Amerigo Vespucci"に似て臙脂に近い感じの渋めの赤です。汚い字ですが筆跡はこういう色です。

fiestared

ちょうどインクを入れたばかりなので少し薄く水くさい色合いですが、いい感じで煮詰まってくるとくっきりとして渋い赤になります。

成長してくれたペン

サイトの方でも、文具についていろいろ書いているけれども、あちらはどちらかというと総論に近い感じで、なるたけ「持ち物紹介」「持ち物自慢」はしないようにしようと心がけています。一方ブログの方は、授業も終わって定期的な記事もなくなり、メンテの必要性からちょっとした話題についていろいろ書いていこうと思っています。
万年筆は、ある程度使い込むとなじんでくると言うか、最初「?」だった部分が徐々に解消されてあるとき劇的に手になじむようになります。ほんの数日前、それまでペンケースに入れて職場に持ち込んで使っていたペリカン・ニューヨークがインクを使い果たしたので、綺麗に洗浄して代わりのペンを下ろすことにしました。数年前から使っているウォーターマンのリエゾンです。ウォーターマンのペン先が硬いと言われ出したのは近年のことですが、わけてもこのリエゾンは形状がラウンドアップ・ニブでとても硬いペン先です。最初手にしたときは書き味も硬いし、あまり良いペンではないという印象でした。

しかし前回使って休ませた後、今回下ろしてみると書き味が劇的に変化していることに気づきました。どういう理由か分からないけれど、万年筆にはこういうことが起こるようです。書き味の変化というのはとりもなおさず経年変化なわけで、前回しまう頃の書き味がそのままつづいていそうなものなんですが、洗浄して、乾かして保存し、新たにインクを入れ直すと、こういう変化が起きていることもしばしばあります。
道具自体の成長を楽しめるところも万年筆のよさだと思います。

Pelikan NYC

pelikanNYC.jpg

つい最近までPelikan社では「都市シリーズ」という限定万年筆を出していた(最新作はPiazza Navonaというローマの観光名所に因んだ商品となり、「都市シリーズ」から「名所シリーズ」に変わってしまったようである)。ベルリンから始まってストックホルム、マドリッド等々続き、打ち止めは上海となった。個人的には「限定品」などにはとても「強くて」あまり心動かされないのであるが、いずれ「ロンドン」や「ニューヨーク」あるいは「ストラットフォード・アポン・エイヴォン」が出たら買ってみようぐらいに思っていた。結局「ストラットフォード」は当然として「ロンドン」も出ずじまいであったので、「ニューヨーク」のみを購入したのだが、これが質感の低いこと夥しい。シリーズ通してもっとも安っぽく見える。
安っぽく見える原因はその「ウシ」というか「ゲートウェイ」のようなデザインのせいでであるが、一つには(こう言っては悪いけれど)「トンボ・モノボール」と類似している点がある。以前ボールペンのところで書いたように、私は学生時代を通してずっと水性ペンを使用していたのであるが、それはこのモノボールであった。書きやすさは抜群なのだが、使っているうちに白い表面塗装が剥げてきて「まだら」になる。そうなった時の姿が「ペリカン・ニューヨーク」にクリソツなのだ。
ということで後悔しているかというとそうではない。質感のなさが幸いしてガシガシ使う事ができる。ペン先はF。インクはトンボ・モノボールの青によく似てくっきりとした「オマス・ローマンブルー」という妙に値段の高いインクを入れている。これで書くと字が一段上手になったような気分になれるという魔法のインクである(笑)。そして馴染んでくると、「剥げたモノボール」のようなこの万年筆が実に渋くよく出来たデザインであるように思えてくるから不思議だ。

限定品ではあるがあまり売れなかったのか、今でもたまに売られているペンである。