今はコンピュータのワープロ専門ですが、以前手書き原稿を書くときに使っていてもっとも手に馴染んだ一本といえるのがこの「ペリカン・スーヴェレーン・800」です。
ペン先はM(中字)ですが、外国モノは国内よりも若干太めなので、パイロットの万年筆でいう太字ぐらいの太さがあります。ノートにMだと太すぎますが、原稿用紙の桝目にはちょうどいい太さです。万年筆というのは細くなればザラザラ、よくてシャリシャリする傾向にあり、太くなればヌルヌルするのですが同時に筆記角度が限定されてくるわけです。これを上手く研いで解消したのがフルハルターさんなのですが、私のは町の店で買ったものです。
現在、原稿用紙で書く機会が減ってしまったので、宛名書きに使っています。葉書の宛名にちょうどいいサイズなので重宝しています。
書いた宛名を写すわけにも行かないので、手遊びで書いた漢詩を写してみました。曹植の「野田黄雀行」の第一連、
高樹(こうじゅ) 悲風(ひふう)多く
海水 其の波を揚ぐ
利剣 掌(たなごころ)に在らずんば
友を結ぶこと 何ぞ多きを須(もち)いん
という漢詩です。
これより太い場合、ドイツ系の万年筆は横に広がる(つまり横線に比べて縦線が太くなる)ので、どちらかというとアルファベット向きになります。