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なめらか戦争

May 26th, 2010 fukao No comments

久しぶりに文房具ネタを一つ。

最近、ボールペン業界では「なめらか戦争」というのが起こりつつあるようだ。

きっかけはPentelの「ENERGEL EURO(エナージェル・ユーロ)」であろう。

実に書き味のよいゲルペンである。私もちょっとした書類に記入する時はこれを使用している。また太字の赤を使って採点をするととても楽。スムーズに丸だのバツだの三角だのを付けられるのだ。しかしこれはジェルペンのこととて、キャップのないノック式だとペン先が乾くのかこの方式のものは出ていない。

そこへ、従来の油性とジェルペンのなめらかさを融合したといううたい文句で殴りこんできたのが、ZEBRAの「Surari(スラリ)」。ZEBRAはサラサ(ゲルペン)のようにオノマトペ(擬音・擬態語)のネーミングが得意なのだろう。エマルジョンインクというインクを開発したそうで、要はマヨネーズのように酢と油、いや水性と油性を乳化させたインクが「油性のしっかりした手応えと、水性(ジェル)のなめらかさを両立させ」ているそうだ。なめらか指数というよく分からない指数でもNo.1 ということで大々的な広告と店頭の煽りを展開している。

しかしながら、このペンの本当の価値は「キャップ式ではない」ことじゃないだろうか?日常の場面でさっと使う時にキャップ式ではいかにもまどろっこしいのでやはりノック式がよい。キャップレスでもペン先の乾かない、あるいは乾きづらいなめらかインクというのがこの商品のコンセプトなのではないかと思う。

そこで再びPentelが巻き返しに打ち出した商品が、同じノック式の「VICUNA(ヴィクーニャ)」。こちらは油性インクの粘度を下げた純然たる油性ボールペン。やはり「世界一のなめらかさ」という、小学生の「100万円」ぐらい曖昧で漠然とした指標でなめらかさを強調している 8)

両方の青インクを使った感想だが、うーむ、分からない ;) どちらも同じように書き味が柔らかで、もはや人間が感知できる差異ではなくなっているような気がする。ただ若干Sarariのほうが水っぽい感じでVICUNAのほうに粘りを感じるのは先入観だろうか。今のところ三菱鉛筆とパイロットは「消せる消せない戦争」を繰り広げていて「なめらか戦争」には入っていない。しかし日本人の習性としてある方向に走り出すと、文房具で言えば極細競争、オーディオ界のミニコンポ戦争などのように、歯止めが利かなくなる傾向がある。なめらか戦争もあまり過熱すると、そのうちなめらか過ぎてダダ漏れのインクなんてのが登場するのではないだろうか? :P

ところでインク色だが水性やゲルペンのように派手な違いはなく、どちらも落ち着いて少し紫の色味を含むボールペンの青である。結局私の好きな青はパーカーペンマンの「サファイア」系統の純青なので、EUROを使い続けることになると思う。黒・青・赤を出しておけばよかんべイズムはよして、もうすこし青の色味などにこだわってもいいのではないか。見ている人は見ているものだから。

追記(6/6) 先日文房具屋に行ったところ、ENERGEL EUROのノック式が売られていた。そうなると、Pentelのこの2本はジェル式と油性の違いをコンセプトにしたと言えるのかもしれない。

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洒落たメモ帳

February 8th, 2010 fukao No comments

年末から年始にかけて、TSUTAYAでビデオを借りては観ていた。名探偵ポワロシリーズ、一枚100円で一週間借りられる。

その一枚、『ナイルに死す』でポワロさんが使っていたメモ帳がやけに洒落ていたので、ネットで調べていたらPen-Houseにあった。CarrsのAbodeメモバインダ。同じものはどうかは分からないが、ブランドがイギリスのCarrsだし、類似のものがなかなか見つからないので、おそらくこれではないかと・・・

というわけで注文して先日届いた。

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左に入っているのが名刺、カードケースと同じぐらいのサイズ

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書いているところ

かなり小さいので、これに合うメモ帳がなかなかない。一冊目はセットされていたのだが輸入代理店ではリフィル等のサプライはしていないということ、購入前にPen-Houseに尋ねて返事をもらっていた。一案として、名刺サイズの情報カードを挟むという方向を考えたが、これは綴じられていないので使いづらそうだ。同じ理由で適当な大きさのメモ帳を切って挟むのも却下。そうこうしているうちにネットで見つけたのがツバメノート ライモン、名刺サイズのメモ帳だそうだ。これならちょうど間に合いそうなので、今度注文してみようと思う。

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来年の手帳(クオバディス)

November 30th, 2009 fukao 2 comments

ここ数年システム手帳を使っていましたが、飽きてきたので来年はクオバディスにしました。

プレスティッジではなくクラシック

プレスティッジではなくクラシック

カバーはすでに持っていたルナのオレンジ。コバの黒がオレンジといいコントラストをなしています。
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Pelikan Souveran 800

December 27th, 2007 fukao No comments

今はコンピュータのワープロ専門ですが、以前手書き原稿を書くときに使っていてもっとも手に馴染んだ一本といえるのがこの「ペリカン・スーヴェレーン・800」です。

DSCF0573

ペン先はM(中字)ですが、外国モノは国内よりも若干太めなので、パイロットの万年筆でいう太字ぐらいの太さがあります。ノートにMだと太すぎますが、原稿用紙の桝目にはちょうどいい太さです。万年筆というのは細くなればザラザラ、よくてシャリシャリする傾向にあり、太くなればヌルヌルするのですが同時に筆記角度が限定されてくるわけです。これを上手く研いで解消したのがフルハルターさんなのですが、私のは町の店で買ったものです。

現在、原稿用紙で書く機会が減ってしまったので、宛名書きに使っています。葉書の宛名にちょうどいいサイズなので重宝しています。

書いた宛名を写すわけにも行かないので、手遊びで書いた漢詩を写してみました。曹植の「野田黄雀行」の第一連、

sousyoku

高樹(こうじゅ) 悲風(ひふう)多く
海水 其の波を揚ぐ
利剣 掌(たなごころ)に在らずんば
友を結ぶこと 何ぞ多きを須(もち)いん

という漢詩です。

これより太い場合、ドイツ系の万年筆は横に広がる(つまり横線に比べて縦線が太くなる)ので、どちらかというとアルファベット向きになります。

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来年の手帳(2007→2008)

October 17th, 2007 fukao No comments

来年の手帳はシステム手帳にしました。

システム手帳はちょうどバブルの真っ最中にブームが起こり、私などバブルと無関係な日々をつつましく過ごしていた人間にもその波は襲い掛かり、大学の4年ぐらいから大学院の前期課程が終わる頃まで(まさにバブルの絶頂)、私もシステム手帳を手にしていました。といってもその頃は合成皮革のつつましいものを使っていたのですがね。

今回も世界的に有名なfilofaxのように高価な手帳ではなく、日本の堅実なメーカー、アシュフォードのバイブルサイズの手帳にしました。本革(キッドスキン=仔山羊革)ですがそれほど高価ではありません。ただ、ラムスキンに似て、手に吸い付くような肌触りです。

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ペンはBICの4色ボールペンがペン挿しとぴったりだったので、これを使うことにしました。本当はしゃれた万年筆などを挿したかったのですが、サイズが太すぎて合いません。

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4色は要らないのですが、仕事を青、その他の活動を黒、大事なことは赤と分けているので、多色ペンは使いたいのです。

マンスリー部分は、以前の記事でも書いたように「週単位」で予定が立っている生活なので「カレンダー式」に。

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ウィークリー部分は、今年もクオバディス風にヴァーティカルにしようかとも思ったのですが、メモがとりやすいよう「レフト式」にしました。

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右ページがメモ帳なのですが、アシュフォードのリフィルは日単位の区切りがあるだけで無地です。本当は横罫、もっと欲を言えば方眼が欲しいところですが、方眼は見当たらず、横罫は他社のリフィルにあります。システム手帳のよさは他社のリフィルを使えるところなのですが、日付のフォントだとか色合いの点で折り合いがつかず、アシュフォードのを利用しました。左側に見えている方眼用紙は穴あきの方眼メモ帳を挟んだところです。

そもそも使いこなせるかどうか心もとないのですが、まあ、こうやってブログに書いてしまえば、書いた手前少し頑張って使い続けるだろうと思って書いた次第です。

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Stipula I Castoni Agata

September 5th, 2007 fukao No comments

「イ・カストーニ」はイタリアの万年筆メーカー、スティピュラの製品です。このペンの特徴は美しいレジンの軸と、クリップに埋め込まれた貴石で、これはagata(agate; メノウ)が埋められています。軸は光の当て方で茶にも緑にも見える綺麗なもの。現行品ではずいぶん整理されてしまっていますが、これを手に入れた当時はかなり何種類も出していました。私はこのメノウのほかにアメジストも求めて買いました。メノウが埋め込まれたクリップがこれです。

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ペン先はBですが、購入した川窪万年筆にお願いしてスタブに研いで貰いました。スタブとは先が扁平になったペン先で縦に太く横に細い字が書けるのが特色ですが、これを斜め45度に構えるとカリグラフとして使え、真横に持てば写譜ペンとして使えるわけです。実際にこのペンは写譜ペンとして利用しています。

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インクも豊富に流れぬらぬらした書き味なのですが、イタリア物によくある通り工作精度がいまひとつです。このペンの場合クリップとキャップの接合部分に隙間があるらしく(息を吹き込めば分かります)、インクを入れたまま放置しておくといわゆる「煮詰まり」を引き起こしてインクが濃くなります。しかもサックス用の譜面の場合水がかかる可能性を考え、耐水性のある古典BBインクを使わなければならないので面倒です。以前の記事でも書いたとおり詰まりやすいんですね。仕方がないので楽譜はなるたけまとめて書くようにし、書き終わったらこまめに水洗いをしています。

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Lamyの古典BB

July 22nd, 2007 fukao No comments

万年筆のブルーブラックインクにはカラーインクといって、その他のインクと同様に水で流れてしまう、ただ色だけがブルーブラックであるものと、鉄の性質を利用していったん色が定着すると水で流れず、ちょっと黒変するいわゆる「古典ブルーブラック」があります。現在市販されている古典BBはモンブラン、ペリカン、そしてラミーです。パイロットのBBも耐水性がありますが、これは古典BBとは違った原理によるものだそうです。そのほか、ちょっとマニアックなNoodler'sの「リーガルラピス」も耐水性がありますが、これが古典かどうかはまだ使ったことがないので分かりません。

上記三つのBBのうち、モンブランはもっとも青みが強く、ペリカンは薄墨のような色合いなのに対して、ラミーは茄子紺のような色合いです。もちろん古典BBなのでカラーインクのように大きく色合いが違うことはないのですが。現在私は、モンブランのペンには仕方なしにモンブランBBを入れていますが、そのほかのペンでBBを使いたいときはラミーを試しています。

ラミーのBBはまずボトルが特徴的で、トイレットペーパーのようなロールペーパーがついています :-P

lamy blue black

一見大きいのですが、駒のような形で横に平たくなっていて、底のほうはちょっとしたくぼみになっています。これは上げ底をしているわけではなく、そのくぼみにインクが溜まるので、最後までとは言わないにせよ最後のほうまで吸い上げて使うことが出来る仕組みです。ボトルの周囲を取り囲むペーパーはいわば吸い取り紙で、インクを吸った時にペン先に付着した余分なインクを取り除くことが出来ます。紙は二重構造になっていて表はつるつるしてあまりインクが染みないように、裏はケバケバしてインクを吸い取りやすいようになっており、使うときは裏面をペン先に当てればよいわけです。

色あいはこんな感じ(大きい画像なのでクリックしてください)。
lamy script

Pelikanスーベレン400のFを使って書きました。

耐水性のある古典BBを使いたいときは、ボトルでなくてはなりません。カートリッジでは空気を通す必要があるため古典BBは保存が利かないそうです。したがってモンブラン、ペリカン、ラミーでも、カートリッジのBBはカラーインクで水に流れます。また比較的難しい性質のインクであるため、長い間入れっぱなしで放置しておくと、確実に詰まります。私自身詰まらせた経験は数知れず。万年筆を使うことに馴染んでから利用したほうがいいと思います。

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Parker Duofold

July 20th, 2007 fukao No comments

この前後輩と話していて、彼も最近万年筆に凝っているらしく(私が火に油を注いだようなもんなんですが)、「次に買うペンは何がいいだろう?」という話題になりました。そもそもこの時点で、普通の人からしたらおかしい。普通ペンなんて必要なものを一本あるいは用途に合わせて数本用意して使い続け、それを補充するような形で買っていくものです。「次に買うペン」などといっている彼も私も、もう立派な万年筆オタクなわけです。

そんなわけで、候補として挙がったのがParker, Pelikan, Watermanだったのですが、今日はjazzのブログでもCharlie Parkerのことを書いたのでパーカーを取り上げてみようと思います。私は三本ほどパーカーの万年筆を持っているのですが、どれも中古品。うち一本がデュオフォールド、二本がパーカー51(それぞれエアロメトリックとヴァキューマティック)です。もうこんなジャーゴン使っている時点で駄目ですね :-P このうち今日はDuofoldを紹介しましょう。

Parker Duofold

これはペンの病も膏肓に入っていた頃、スウェーデンのペン商でパーカー研究家のTony Fischierから買った物です。1920?30年代のデュオフォールドというのはどれも高価で手が出ないものが多いのですが、ネットサーフをしていて見つけたこのサイトでは、言っては悪いけれど中国の偽造品みたいな値段で売られていたわけです。しかしこのサイト主Tonyの知識量は半端でなく、まじめに研究していることが窺えたのでドネーションの意味もあって一本購入してみました。(その後Parker51もここで買います)

uncap

ペン先もしっかりしていましたがイリジウムがかなりなくなっている。30年代の製品だとして70年以上経ているから仕方ないのですが。また非常に硬いペン先です。インクの補給方式ですが、ボタンフィラーといって軸尻にボタンがついていて、ペン先をインク壜につけそのボタンをピコピコ押していくと、内部の金属がペコペコ動いてゴムサックを押すのでインクを吸い上げるわけです(正確には、押しつぶされたゴムサックが復元する時に吸い上げるのです)。

button

ある日全然吸い上げなくなったので分解してみたら、ゴムサックがもうヘタってしまって復元力がなくなっていました。Tonyに相談のメールを送りつつ自分でも直しかたを調べたら見つかり、大至急ペン用ゴムサックとシェラック(接着に使います)を購入して自分で直しました。

半ば骨董品なのでバリバリ現役使用をすることはないですが、たまにペン先をインクに浸して文字を書いたりしています。

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来年の手帳

October 23rd, 2006 fukao No comments

来年使う予定の手帳を手に入れました。

2007年はクオバディスで行こうと決めました。今年は文房具ブログにも書いたとおり、「ほぼ日手帳」を使っていましたが、どうも一日一ページというのは予定を書き込み、参照する際に非常に面倒なことに気づきました。

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(オレンジ好きなので、今年もオレンジカバー)

クオバディスはバーティカル式で時間管理がしやすい手帳です。

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(バーティカル式とは縦に時間軸が区切られているスタイル)

時間管理の必要がほとんどない私は、おととしとその前に使っていましたが、去年はほぼ日に浮気したわけです。しかし、白山に行くようになり、来年は選挙もあるようなので再びクオバディスを使うことにしました。詳細やインプレッションは、使い始めてからまた文房具関係のブログのほうに書く予定です。

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暑中見舞いを書いていると

July 21st, 2006 fukao 3 comments

暑中見舞いを書いていたら、ずいぶんと涼しくなりました。梅雨空で、日が翳って涼しいってだけならいいんですが、あちこちでいろんな被害が出ているので気の毒です。

暑中見舞い

去年から、暑中見舞いはこのペンで書いています。Pelikanのアテネ。アテネオリンピックにちなんで作られたペンです。色がいかにも涼しげなので使うようにしていますが、インクが暑苦しい色ではいけないので、インクはウォーターマンのサウスシー・ブルーで。いわゆるターコイズ色、あるいは水色です。サウスシー・バブル(南洋泡沫会社)となってくると、西洋史の友人が熱帯低気圧のごとく東シナ海を北上してこっちにうるさく言ってきますが、サウスシー・ブルーなのでいまのところ大人しくしてくれています。しかし、絶対この二つの単語、引っ掛けているよなぁ・・・(笑)

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Montblanc 149

June 13th, 2006 fukao 2 comments

私は特にモンブランに思い入れがあるわけではないですが、ネット記事や書籍を読むとどうしても目に付くのがMontblanc 149です。やれ「万年筆の最高峰」だ、やれ「本物の作家はこれを使う」などうるさいんですね。で、作家ではないのだから無視していればいいんだけれど、そうやって書き立てられるとどうしても気になってしまう。気になると夜も眠れない。もう、149をすっぱり買うか、それとも149とは「一生買わないという形」で付き合うかなどと、非常に屈折した感情に支配されてくるわけです。

「これは精神衛生上、よろしくないなー」などと考えていたとき、恒例となったモンブラン値上げの噂が飛び込んできたので、もう躊躇せずにエイヤと購入したのがこれです。

montblanc 149

しかし大げさなハコ。

montblanc 149

ペン先はBですが、太いしフルハルさんの所で解説されているように筆記角度が非常にシビア。ちょっと傾けるともう書けなくなる。ただのBなのにスタブのようなペン先。かえすがえすも汚い字ですが筆跡はこうなります(インクは写真に写っている純正のロイヤルブルー。モンブランだと純正以外を入れるのが怖くて)。

monscript

太いペン先ならフルハルさんで有償で研いでもらうのを前提で買うか、そうでなければMまでにしておいたほうが無難ですね。上の箱入りの写真、実は撮影用に箱に入れたのではなく、ずっと仕舞っておいたので箱から出す前に一枚パチリと撮ったのです(インクはわざと置きましたが)。普段はほとんど使いません。年賀状のシーズンだけ箱から出して使います。本当は最初に無理して使って馴染ませるという努力が必要なのですが、なかなかそうも行きません。

Montblancが悪いといっているのではありません。Bニブなので、それじゃなくても使いづらいのに、さらに使う場面が少なく、なじませる機会がないため、いつ使っても、「買ったときのような使い心地の悪さ!」という悪循環に陥っているんでしょう(笑)。またいずれ146のMとEF、そして古いジェネレーションについての記事を書きますが、これらはいつも手元で活躍しています。

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Pelikan 200 と Fiesta Red

June 11th, 2006 fukao No comments

採点のときはラッション・ペンやペンテルのサインペンのようなフェルト・ペンを使います。万年筆で丸やチェックをシャッと書くとペン先が痛みそうだし、おまけにやはり疲れるんですね、フェルトペンほどは当たりが柔らかくないから。

しかし、たとえば何かコメントを書き加えたりしなければならないときはフェルト・ペンでは字が太くなりすぎるので万年筆の出番となるわけです。

いま採点のコメントやペーパーの校正用に使っているのが見るからに赤いPelikan Traditional 200スケルトン(通称ペリスケ)の赤軸です。スチールペン先ですが当たりが柔らかく重宝しています。ペン先はM。ほとんど気を使わないペンですが、さすがに採点時の激しいストロークはペン先によくないと思います。

pelikan200

隣に写っている瓶はインク瓶で、"Private Reserve Fiesta Red"です。このフィエスタ・レッドは昔の"Omas Amerigo Vespucci"に似て臙脂に近い感じの渋めの赤です。汚い字ですが筆跡はこういう色です。

fiestared

ちょうどインクを入れたばかりなので少し薄く水くさい色合いですが、いい感じで煮詰まってくるとくっきりとして渋い赤になります。

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リーガル・パッド(legal pad)

May 26th, 2006 fukao No comments

知り合いの文房具店主と話していたら、最近レポート用紙が売れなくなってきていると言っていました。たしかにパソコンやワープロの普及のため、レポート用紙で手書きレポートを提出してもらうということはかなり少なくなってきました。けれども授業で各自で紙を用意して提出してもらうときなど大半の学生がレポート用紙を使っているから、全く使われなくなったというわけではなくて絶対的消費量が減ってしまったのでしょう。私自身レポート用紙を買わなくなってもう10年以上になります。

レポート用紙に代わってよく使うようになったのがリーガル・パッド(法律用箋)と呼ばれる黄色いパッド(はぎ取り式ノート)です。

legal pad
上の写真は伊東屋のリーガル・パッドですが、なぜ黄色なのかというと、正式な文書(最終稿)である白色と区別し、まだ書きかけの草稿であることが一目で分かるようにするためだと言われています。たしかにこの色分けは便利で、私のように年がら年中机上が散らかっている人間にとっては本当に助かります。これまでは、都心へ出た折りに銀座や新宿の伊東屋で買っていましたが、今度Ito-ya e-STOREというネット通販の店舗が出来たようで、買いやすくなります。八王子のヨドバシカメラではMeadのビュートンリーガル・パッドを大安売りしていましたが、いつの間にか店舗に置かなくなったのでわざわざ取り寄せるかネット通販を利用する必要があります。ソニプラでも時たまMeadのリーガルパッドが置いてありますが、これもまた不定期です。

用途としては会議や話し合いなどでのメモ、ペーパーやノートを作成する前段階のブレイン・ストーミングなどが考えられますし、私自身もっぱらブレイン・ストーミングに利用しています。しかし、こうなるとC/P比が重要になってきます。伊東屋製が一冊600円ぐらい、ソニプラもそれぐらいでした。一方ヨドバシは50sheetsが4冊で400円と非常にお値打ちです。消耗品ですからこれぐらいの値段で手に入れたいと思っていますが、名前から分かるとおり、リーガルパッドとは本来金満の弁護士が使うものなので、どうも贅沢品のような位置づけになっているのだと思います(笑)。

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ノート(notebook)

May 26th, 2006 fukao No comments

ここでいうノートとは大学ノートのことで、綴じ方として糸綴じ、リング綴じ、ホチキス綴じなどがあります。それぞれ一長一短ありますが、何度も見返すノートには糸綴じを、スペースの狭いところで使う可能性があるならリング綴じを選ぶといいでしょう。

今回は、日本で手に入る代表的なノートとその使用感について簡単にレポートしてみようと思います。まずは大学ノートの代表、セブンイレブンでも手に入るコクヨの「キャンパスノート」です。

Kokuyo campus
上の写真は最近復刻版としてでた「復刻版キャンパスノート」です。左が初代、順に2代、3代、そして4代(現行)。こうやって眺め渡すと面白いもので、それぞれのノートとそれぞれの時代が私の中でもシンクロしていたりします。中学高校生の時はたぶん初代を使っていたんだと思いますが、その頃はルーズリーフなども使っていてぼんやりとした記憶しか残っていません。一番鮮明に覚えているのは2代目で、大学から院にかけて取ったノートの大半がこのキャンパスノートです。3代目?4代目もしょっちゅう目にしているおなじみのデザインですが、このころになるとたぶん次に紹介するツバメノートやTSノートに移行したのでしょう、ほとんど使ったことはありません。

ツバメノート
コクヨよりも知名度は落ちますが、品質が高く、文具マニアの間で有名なのがそのツバメノート(写真)です。表紙のデザインなんか、オーソドックスというか、地味すぎて却ってクールな感じがするほどです(笑)。このノートは紙がフールスキャップといってすかしの入った厚手のプリンとした紙質なので、万年筆や水性ペンで書くのに向いていると思います。私はとくに、「クリームノート」のファンで、これを使って仕上げたノートは結構な冊数になります。

しかし、ツバメノートよりもさらに厚い紙を使った高級ノートがフランスのクレールフォンテーヌです。(写真下)

クレールフォンテーヌ
ただ、ここまで来るとちょっと高級品レベルで1冊300円近くしますから実用的ではないですね。また手に入りづらいノートだと思います。私の場合はいつも行く近所のソニプラで購入しましたが、たまたま入荷されていたという感じでしょうか、次に行ったときは品切れでした。これに万年筆で筆記をすると、すらすらと筆が運びとても楽に書けます。またフロー(インクの流出量)の多いペンでも裏写りを気にせずに書くことができます。現在「アカデミック・ライティング」の授業用ノートとして使っています。

リングノートというとどうしても外せないのが、コクヨのフィラーノート(写真下)です

フィラーノート
これはリング綴じで、リーフにキリトリ線とバインダー用の穴があいていて、普段はノートとして使えるけれど、提出するときには切り取ることができ、ランダムに記入していっても後で切り取ってバインダーに整理できるという優れたノートです。アメリカのノートにはよくこの手のものがあるのですが、日本製というとこのフィラーノートしか見かけないように思います。このノートは最近出たものだと思っていたのですが、コクヨ100年物語で調べてみたら驚きました。1961年からの商品なんですね。

実は最初、このノートをクラス全員に買わせてノートの取り方から何から指導しようと思っていたのですが、シラバスを作成していくとどんどん時間がなくなり、結局この案は削ることにしました。「アカデミック・ライティング」のクラスでは使おうと最後まで計画していたのですが、提出物をタイプして出してもらうので、学生に余計な出費をさせても悪いと思いここでも使うことを諦めました。

アメリカでこのタイプのノートというと「ミードノート」が真っ先に思い浮かびます。このノートについてはエッセイを書いていますのでよかったらご覧下さい。

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鉛筆・シャープペンシル(pencil & mechanical pencil)

May 26th, 2006 fukao No comments

教科書にちょっとしたことを書き込むときは鉛筆やシャーペンがうってつけですし、実際大半の学生さんもシャーペンを使っています。そこで今さら「鉛筆とシャーペンの使い方」などというテーマで書いても仕方がないので、今回はよくできた鉛筆とシャーペンについて品名を挙げながら紹介したいと思います。

まず避けるべきは「多機能ペン」、一言でいってしまえば「シャーボ」です。このタイプのペンは会社員が内ポケットからサッと取り出してメモを取るためにこそ向いているものの、ちゃんと筆箱を持っている学生がこういう筆記具で済ませているようではまず見込みがありません。なぜでしょうか。ガタつくからです。機構の関係上このガタは仕方ないのですが、こういうガタつくペンで書いていて何も感じないようだとまず将来の見込みはありません。したがって、優れたシャーペンというのはガタつきを極力取り除いたものだということができます。

最初に取り上げるのはStaedtlerのシャーペンです。Staedtlerは19世紀初頭からドイツの鉛筆会社としてトップクラスを走っていましたが、とくにこのメーカーが得意とするのが製図用品で、正確さを要求される製図用品で培われた技術がこれらシャーペンにも遺憾なく発揮されています。このシャーペンの唯一の欠点は「決して落としてはならない」ということです。精密に作られているため先端から落とそうものなら間違いなくペン先が曲がったり折れてしまいます。この欠点を「ダブルノック」というしくみで解決し、グリップにもラバーを仕込んで感触をよくしたのが日本の誇る筆記具メーカーぺんてるの「グラフギア」です。こちらも製図用。トップページからだと、なぜか行きづらくニュースリリースのページからたどり着きました。もっと誇ってよい、全面に打ち出してよい製品だと思うのですが、会社としては特殊用途であるという理解なんでしょうかね。

一方、私はほとんどシャーペンを使うことはなくもっぱら鉛筆です。普段持ち歩いているのはFaber CastellのUFOペンシルというちょっと変わった鉛筆ですが、家で使っているのも同じFaber Castell社の世界でもっとも有名な9000番鉛筆です。一般に外国の鉛筆の硬度は同じ硬度でも日本のそれよりもいくぶん硬く、たとえば日本の鉛筆でBぐらいの硬度が欲しいときは2Bから3Bを使うとちょうどよい感じです。私は万年筆使いで筆圧をかけずに書くことになれてしまっているので、現在は3Bを使ってだらだら書いています。これと並び称されるのが先ほどシャーペンで取り上げたStaedtlerの鉛筆Lumographです。こちらも製図用という位置づけですが、当然ノートに使用しても書き味を楽しめます。そして日本が誇る三菱鉛筆のハイユニ。ひょっとすると書き味は世界一かもしれません。私が常用しないのは表面の塗装がプラスティッキーというか、ピカピカし過ぎていてペンキ塗りたてみたいな感じがするからです。一方上で取り上げたドイツ製の鉛筆は水性塗料を塗ってあるので下にある地肌の木の感触が残っていて握ったときの手触りがよいのです。

まず形から、というのもありだと思います。何気なく使っているシャーペンや鉛筆を意識的に選択するということもまた自分がそれを使って成し遂げることに対する意識やモチベーションを高めることにもなるのではないでしょうか。

筆記具総論はここまでにして、次回からは紙製品を取り上げてます。

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ゲルインクボールペン(gel ink pen)

May 26th, 2006 fukao No comments

これもまた日本で開発された技術で、1980年代後半にサクラクレパスが「ボールサイン」という商品名で売り出したのが最初だといわれています。これは従来の油性ボールペンと水性ペンそれぞれの欠点を補う形で開発されました。油性ボールペンとは反対に「ボテ(ペン先に付着するインクの固まり)」を出さず書き味も軽く、そして黒がくっきりと黒いボールペン、また水性ペンとは反対ににじまず液漏れをしないボールペンという命題をクリアーしたのがこのペンです。欠点といえば「インクの減りの速さ」ということになるのでしょうが、これも「使い切った」という満足感を与えると考えればあながち欠点ともいいきれない特徴です。

このサクラクレパスの技術を取り入れて、現在では文具メーカー各社がこぞってゲルペンを発売しそれぞれ付加価値をつけて市場を争っています。ブログにも以前書いたのですが、その競争が妙な方向に逸れてユーザー無視の極細競争になっているような気もします。ともあれ、使いやすさと発色の良さで「もう、どれがどれやら分からない」ほど多くの種類が発売されていますが少し整理して紹介したいと思います。各社ともそれぞれ代表的ラインをもち、そこに「ノック式」「ラバーグリップ」「独自色」「ラメ入り」「極細」はては「香り付き」という付加価値をつけているので、まずはこの代表的ラインを知っておくとわかりやすいでしょう。各社の代表ラインは次のようになります。

個体差が大きいので試し書きは欠かせませんが、ただやみくもに試し書きをしても意味がありません。ゲルペン最大のポイントは書き出しです。書き出しがかすれるものはゆくゆく使い物にならなくなります。必ず書き出しをチェックしましょう。筆感ですがどうも同じラインでもキャップ式とノック式ではインクの性質が若干違うようで、概してキャップ式の方が書き味がなめらかなものが多いようです。しかし、ノック式の方が機動性に優れているのでここは使い方と相談して決定した方がいいと思います。

極細のペンを使ってノートを書いている人をたまに見かけますが、超極細は書き味もよくないしあまり薦められません。あれは手帳用なんですよね。ノートを買うお金にも困っているなら細かい字でびっしり書くのも理解できますが、ふつうは0.5ぐらいの太さでサラッと書いた方が「書くこと」に気を取られなくていいと思います。

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水性ボールペン(rollerball)

May 26th, 2006 fukao No comments

いろいろ調べていくと、どうやら水性ボールペンは日本で開発されそれが海外で大ヒットしたそうですが、詳しいことはトンボのサイトを見てもらえれば分かると思います。

水性ボールペンの長所は万年筆ほどではないにせよ筆圧をかけずにさらさらと字が書ける所です。これはそもそもの発想が「万年筆の書き味とボールペンの簡便性」を両立させようというコンセプトであったことからも当然だといえるでしょう。したがって、短所もまたここから導き出されます。それは「にじみやすい」点です。紙質にもよりますが、わら半紙やペーパーバック、あるいは薄紙の教科書などに張り切って書き込むとほぼ100%滲みます。紙質というのは不思議なもので、いわゆる1平方メートルあたりのグラム数(これが多いほど「厚い紙」となります)に比例するわけではなくて、薄手の紙でも滲まないものもあれば、厚紙なのにはげしく裏写りするものもあります。えてして教科書の紙は裏写りしやすいので水性ペンを使うときは気をつけた方がいいでしょう。

水性ボールペンには直液式と中綿式がありますが、文房具マニアがいつも取り上げる直液式水性ペンとしては次の3つが代表的です。

トンボのMonoballはまさに私にとって青春の筆記具でした。学生自治会に属していたので日に何枚もの報告書や書類を書かなければならなかったのですが、そうしたときにこのペンは非常に役立ちました。何というか神話ではないけれど、「報告書を書くならこのペンで」という雰囲気がありました。このペンの欠点は暑い時期になるとインクがドボッと漏れたりするんですよね。おまけに顔料インクということでなかなか落ちないので結構苦労しました。

パイロットのVcornはずっと後になって知ったものです。このペン、実は密かに水性ペンの最高傑作ではないかと思っています。筆圧をかけると楷書体が上手く書けるのは当然で、報告書をMonoballで書くときも、当然のように筆圧をかけていました。しかしこれだと水性ペンのメリットを消してしまうことになるわけです。しかし、筆圧をかけないとボールに引っ張られる感じで線がまっすぐ引けない。ところがこのVcornは低筆圧でも狙った線を書くことができるのです。この辺の事情は相性の問題もあると思いますが、Monoball一本槍の人は一度試してみたらいいと思います。線はMonoballに比べると若干細いですが液漏れの心配もなさそうです。

Ballぺんてるは日本を代表する文房具らしいのですが、どうも楷書体などきちんとした字体を必要とする報告書系には向いていないようです。というのも、線の太さがまちまちになりがちなんです。ある意味では万年筆にもっとも近い書き味で、上のリンク先の人も評していますが、きっちりした文字を書くよりもサラサラっと殴り書きをするときにこのペンは真価を発揮するように思います。もう一つこのペンで特筆すべきは青インクです。上の3つは青インクがどれも特徴的で、MonoballやVcornが鮮やかな青をしているのに対して、Ball ぺんてるの青は万年筆でいうブルーブラックに似てとても落ち着いた渋い青です。この青が好きでいまでもメモを取るときにこのBallぺんてるを使ったりします。

報告書や履歴書を書くとき、授業のノートを「ノート」に書き込んだりメモを取るとき、手書きのレポートを提出するとき、これらの水性ボールペンが役に立つでしょう。

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ボールペン(ballpoint pen)

May 26th, 2006 fukao No comments

ここでいうボールペンとは油性ボールペンのことです。水性ボールペンとゲルインク・ボールペンについては次回以降書く予定です。

ボールペンの特長は二つあります。一つは「メンテナンスが楽」であること、もう一つは「にじまない」ことです。万年筆がインクを吸入したりカートリッジを入れ替える必要があるのに対して、使い捨てボールペンはともかく入れ替え式のボールペンでも替え芯を取り替えるだけで済むわけです。それにキャップをはずしておいてもインクが流れ出したり、逆に乾燥して使えなくなったりすることはそうそうありません。初期の頃はインクの流出があったといわれていますが、インクの粘度を上げることで解消されています。にじまないというのは質の悪い紙に書かなければならない時にはかなり重要で、この点では万年筆と水性ボールペンは席を譲らなくてはなりません。いまはあまり使われなくなりましたが、昔は藁半紙や更紙と呼ばれる質の悪い紙がよく使われていました。こういうときは鉛筆かボールペンしか対応のしようがなかったものです。

ボールペンの欠点は1つだけあります。インクの粘度が高いことにより流出がなくなった反面ある程度の筆圧をかけなくては書けなくなったことです(しつこいようですが洒落じゃないよ。もっとも、その筆圧のおかげでカーボン紙に書くときにうってつけの筆記具ともなりましたが)。一定の筆圧を必要とすることで長時間筆記には向かないものになりました。がんばって根性発揮して書くことは可能ですがそれで何かが良くなるわけではないですからね。もっとも油性ボールペンでもbicのボールペンやOHTOの「ソフトインク」などはこうした弱点を改良してかなり書きやすいものになっています。そして弱点とはいえないけれど、油性インクのもつ「発色の悪さ」はゲル・ボールペンの登場によって払拭されましたが、このことは後に譲ります。

ボールペンの使い道ですが、私は「書類記入」と割り切っています。これだと筆記時間は短時間で済みますし、さっと書類を渡されてさっと書き込むことができるからです。学生が使用するときにはどんな使い方が考えられるでしょう?あまり浮かびません。学生課や教務課の書類に書き込むときに使えばいいと思います。なおボールペン全般について体験や感想を交えてブログに駄文を書いています。参考にしてください。

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万年筆(fountain pen)

May 26th, 2006 fukao No comments

万年筆の特色は「万年保つこと」でも「正式っぽいとこ」でもありません。これは「ほとんど筆圧をかけなくても書ける」という点なんです(洒落じゃないよ)。これを無視して筆圧をかけて書くと万年筆は傷んだり、最悪壊れたりします。そうすると万年筆にふさわしい状況というのが見えてきますね。そう「筆圧をかけて書きたくない状況」です。言い換えれば「長時間筆記するような状況」、だから昔の作家さんはみんな万年筆を選んだわけです。しかし、ワープロ・パソコンの普及でこの長時間筆記のメリットをそれらに譲ることになり、反対にメンテナンスの面倒さや正式っぽさだけがクローズアップされ、万年筆は趣味の分野になってしまいました。その結果、異常にゴテゴテと飾り立てた限定万年筆や超高級万年筆が幅を利かせることになってしまったのです。それはちょうど、神社仏閣が「現実と斬り結んだ存在」であるうちは、人々もそれらを無視していられるのに対して、「現実の意味を失ってしまった存在」になるやいなや観光地として人々がその存在を意識し、しばしば出かけたりするようになるのと似ています。ハイデガー風に言えば存在の存在性が感じられるようになったということでしょう。

しかし、ここでは万年筆品評ではなくて、あくまでもツールとしての万年筆を考えていきたいと思います。司法試験の受験生の間では常識になっているのですが、万年筆は「論述型試験」に向いています。長い文を書き続けなければならない試験の時、万年筆はその実力を遺憾なく発揮します。私が院生だった時にある先生の試験の監督を手伝いましたが、その先生もまた「ペンで書くように」と指示されていました(そのメリットを理解できていない学生には不評のようでしたが)。

「ペンは自由に消したり書いたり出来ない」という不安を持っている人も多いと思いますが、これが逆に注意深く書く、まとめてから書くという習慣を促すことにもなります。私に関していえば、授業で取るメモ風のノートは主に鉛筆、それがそのまま見返せるようなノートに仕上がることが見込めるならば水性ペンを使っていました。そして前者のノート、つまり殴り書きでメモった程度のノートをまとめるときに、万年筆を使い糸綴じノートに写したものです。ペン先の太さはいろいろ試してみたけれど、F(細字)がいいようですね。XF(極細)だとカリカリしすぎるし、M(中字)だとノートに書くときにボタっとした感じになります。趣味と実用を両立させて万年筆を使うことの出来る時期は、一部の人を除いて学生時代だけだと思います。学生の人はためしにノートまとめや試験で万年筆を使ってみてはどうですか?

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状況文具(situation stationery)

May 26th, 2006 fukao No comments

タイトルは冗談ですが、文房具にも、それを用いるのがふさわしい状況とそうでない状況とがありますね。ここではまず筆記具と紙製品を取り上げます。筆記具というとざっと思いつくのは、「万年筆」、「毛筆」、「ボールペン」、「ローラーボール(水性ボールペン)」、「サインペン」、「シャープペン」、「鉛筆」といったところではないでしょうか?一方、紙製品というと「大学ノート」、「ルーズリーフ」、「レポート用紙」、「原稿用紙」、「半紙」などが代表的です。ここでは「毛筆」と「半紙」は除外しておきましょう。これらは残念なことに特殊な状況で用いられるものになってしまってますから。反対に紙製品の中に「教科書」というのを加えておきましょう。授業ベースで考えると、教科書に書き込むことは非常に多いですから。次回からは、各製品の特色とそれらを用いるのにふさわしい状況とについて考えていきたいと思います。

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