万年筆のブルーブラックインクにはカラーインクといって、その他のインクと同様に水で流れてしまう、ただ色だけがブルーブラックであるものと、鉄の性質を利用していったん色が定着すると水で流れず、ちょっと黒変するいわゆる「古典ブルーブラック」があります。現在市販されている古典BBはモンブラン、ペリカン、そしてラミーです。パイロットのBBも耐水性がありますが、これは古典BBとは違った原理によるものだそうです。そのほか、ちょっとマニアックなNoodler'sの「リーガルラピス」も耐水性がありますが、これが古典かどうかはまだ使ったことがないので分かりません。
上記三つのBBのうち、モンブランはもっとも青みが強く、ペリカンは薄墨のような色合いなのに対して、ラミーは茄子紺のような色合いです。もちろん古典BBなのでカラーインクのように大きく色合いが違うことはないのですが。現在私は、モンブランのペンには仕方なしにモンブランBBを入れていますが、そのほかのペンでBBを使いたいときはラミーを試しています。
ラミーのBBはまずボトルが特徴的で、トイレットペーパーのようなロールペーパーがついています 😛
一見大きいのですが、駒のような形で横に平たくなっていて、底のほうはちょっとしたくぼみになっています。これは上げ底をしているわけではなく、そのくぼみにインクが溜まるので、最後までとは言わないにせよ最後のほうまで吸い上げて使うことが出来る仕組みです。ボトルの周囲を取り囲むペーパーはいわば吸い取り紙で、インクを吸った時にペン先に付着した余分なインクを取り除くことが出来ます。紙は二重構造になっていて表はつるつるしてあまりインクが染みないように、裏はケバケバしてインクを吸い取りやすいようになっており、使うときは裏面をペン先に当てればよいわけです。
色あいはこんな感じ(大きい画像なのでクリックしてください)。
Pelikanスーベレン400のFを使って書きました。
耐水性のある古典BBを使いたいときは、ボトルでなくてはなりません。カートリッジでは空気を通す必要があるため古典BBは保存が利かないそうです。したがってモンブラン、ペリカン、ラミーでも、カートリッジのBBはカラーインクで水に流れます。また比較的難しい性質のインクであるため、長い間入れっぱなしで放置しておくと、確実に詰まります。私自身詰まらせた経験は数知れず。万年筆を使うことに馴染んでから利用したほうがいいと思います。