diary

真のテクニックはニュアンスである

9月末から大学の授業が再開されて、先週英語のテキストでルイ・アームストロングが取り上げられたパートを読んだので、それに関係するDVD『サッチモ』を学生と鑑賞しました。

この中で後半、歳をとってパワーの衰えたサッチモを酷評する向きに対して、ウィントン・マルサリスがきっぱりと言っています:「晩年のサッチモを買わないという人がいるが、そういう人は何も分かっていない。最高のテクニックとはニュアンスであり、それは人生経験から生み出されるものだ」と。

その直後、確かにハイ・ノートを出すのが辛そうなサッチモの映像「明るい表通りで」が流れますが、このソロが本当に涙物。下手さに涙が、じゃなくて、そこに展開される音楽の美しさと微妙さに涙が誘われるわけです。"What a Wonderful World"もいっぱいカバーが出ていますが、サッチモに匹敵する歌はいまだにありません。

そんなことを考えながら過ごしていたら、ある時喜劇論を耳にして、再び考えさせられました。

「真の喜劇役者はギャグを言わない」そうです。言葉そのものを封印したチャップリンはともかく、その他の喜劇役者でも一流といわれる人は、ギャグで笑わせるのではなく、私達が普通に使う日常の台詞を、そのニュアンスだけで笑いに持っていくということでした。「で、どうしたの?こないの?」これだけで笑わせることができる役者がいるそうですし、確かに、渥美清などは取り立ててギャグというギャグは言いませんが、寅さんは面白い。志ん生は「っというわけで」という冒頭の言葉だけで笑わせます。「蛇から血が出ていてへーびーちーでー(ABCD)」という駄洒落も、他の誰が言っても面白くもなんともないのに、志ん生が言うと笑わされるわけで、これがニュアンスというものかと思いました。

情熱空間の閉店とエコスの開店

紫陽花の記事と共に書いた情熱空間ですが、山の木が紅葉する前に閉店してしまったようです。

確かに夏に入ってから、弁当屋も縮小したみたいだし、なんとなく閑散とした印象がありましたが、しかし速い。結局弁当は2度食べたのみ。ただし豚の角煮は何度か買って食べました。

そうこうしているうちに、もっと近所にスーパーの「エコス」が誕生しました。こちらは言うほど安くはないです。というよりもコンセプトとして安さを売りにしているんじゃないかもしれません。ねぎなんか普段一本100円近くします。でも、熱すると甘みが出たりして、「中級」程度の品物を売りにしているのかもしれないですね。

クリスピー・クリーム・ドーナツとはり猫

今日は白山の帰りに新宿に寄ってきました。小田急の伊東屋で来年の手帳を物色しようと思ったからです。
最初に腹ごしらえをしようと思い、以前の記事でも触れた、新宿サザン・テラスにあるクリスピー・クリーム・ドーナツに行きましたが、バーガーキングの時と同じくものすごい列・・・

donuts

ご丁寧に待ち時間が書いてあって(警備員の横の看板)1時間10分待ちと出ていました。ちょうど時刻が12:45だったので、1:10の意味ではないか確認しましたが1時間10分との事、当然並びません。仕方がないので近くにあったマクドナルドでやっつけ仕事のような食事をし、小田急へ。小田急は小田急でエスカレーターの工事をしていて伊東屋のある10階までなかなかたどり着けない。やっとこさたどり着いて手帳を見ましたが、まだ10月はじめなので全然充実していません。なんか上がり損したような気分で降りてきました(降りるのも一苦労)。

八王子に着いて紅茶を買って(アッサムの「シロニバリ」)、放射線通りを歩いていたら「はり猫」の看板に灯がともっていたので行きました。

neko tableau

アイスコーヒーもあったけれど、ホット・コーヒーを注文し、Booをテーブルに持ってきて万年筆を取り出したところ。万年筆はペリカーノ・ジュニア。

neco speaker

今日はキース・ジャレットのモントルー・ライブ『マイ・フーリッシュ・ハート』が流れていました。空気が澄んで西日が異様に強かったので、普段よりも明るい店内。また、普段たいてい私一人なのですが、今日は別のお客さんも来ていました。時に5人ぐらいお客さんがいて驚くことがあります。お客さんが帰った後のテーブル。

neco tableau2

キースはストライドに挑戦していたりして、「浮気はやめた」が終わって2枚目冒頭のの「ハニー・サックル・ローズ」辺りで店を出ました。

partenaire と pasmo

『相棒』の再放送。エピソードは「殺人ワインセラー」でした。
ここで出てくる、大銘醸ワイン「シャトー・マルゴー」もしのぐといわれているボルドー右岸の「バルトネール」ですが、実在しません。パルトネール=パートナー、つまり「相棒」のことなんですよ。しかし扱われていた「ペトリュス」や「ロマネ・コンティ」など実在するワインは本物を使ったのでしょうか。この話の教えは、「傷つけた側は覚えていなくても、傷つけられた側は一生忘れない」というものでしょうが、そんな教えを忘れるほど絢爛たるワインの数々でした。

さて西東京バスがパスモに対応したので、私も購入しにでかけました。

pasmo

バスの場合、従来のバスカードと同じようにいくらか得をするポイントサービスがあるようなので買ったわけです。駅に行くと、幟旗を立てて賑々しく申し込みを行っているので行ってみると、クレジット・カードと連動して自動チャージをしてくれるカードを扱っていて、現金チャージは自動キップ機で買えるそうです。自動チャージでもいいのですが、まだ不安なので現金式にしました。使い方も不安なので、駅から100円区間を試し乗りして、実際に使えるかテストしてみることに。nanacoカードと同じパスケースに入れているのに、きちんと読めたので驚きました。セブンでnanacoを使ったら、間違えて引かれていることもなくてさらに驚きました 🙂

読売新聞の世論調査

テレビや新聞で無作為抽出の世論調査の結果が出ていますが、うちには電話アンケートなど来たことがないので「どうせインチキで、読売系なら保守的な結果を出し、朝日系なら非保守的な結果を操作しているんだろう」ぐらいに思っていたら、今日電話が来ました。

内容は福田さんの新内閣に関するものでしたが、2択が多くて困りました。

特に「国連決議は意味がないといって民主党は派遣延長に反対しているけれど、この対応は適切か否か」というのは分かりづらい質問で、答えるのにも四苦八苦。国連決議の前文に感謝風味の決議を入れさせたことに意味があるかどうかと、派遣延長そのものにたいしてどう思うか、という2つの問題が入れ子になっているこの質問にどう答えたらいいのか?

よくよく問いただして、質問の意図が「『国連決議が無意味である』という対応が適切だと思うか否か」ということだと理解できたので、思うところを回答しました。

こちらからサイトにアクセスして答える形式のアンケートだと、ある特定の分野に関心の高い人が殺到したりして結果が偏向することを考えると、こうした電話口の無作為アンケートのほうが実情を映し出すのかなとは思いました。

中秋の名月

今日は十五夜なので、昼間っからススキを持っている人を見かけました。スーパーなどでお買い上げのサービスとして配布していたようです。私は、ついこの間お彼岸でおはぎを食べたので、月見団子は食べないことにして世間をほっつき歩いていました。

浅川もだいぶ水が引いて、本来の浅川に戻ったようなので一枚写真を撮りました。

浅川

台風直後の写真と比べてもらえれば、本当に浅いことが分かります。裾まくりして渡っていけそうな浅さです。

夜、会合に向かう際に撮った月。電話のカメラなので限界がありますが

fullmoon1

さらに深夜、雲が出てきたので撮れずにいると、雲間の月が出たので撮ってみました。

fullmoon2

リアルサイズは こちら

ロボットの旦那芸

つい先日テレビを観ていたら、最新技術を駆使したロボットの特集番組をやっていました。

自力で立ったり崖っぷちまで来るとぴたりと止まったり凄いロボットが紹介されていたんですが、中には人間の側でいろいろセットしてあげて、やっと作業ができるというものもあって微笑ましく観てました。

南伸坊が書いていましたが、彼が博物館に行って見せられたロボットが、まあ人手を煩わすこと甚だしい。何かを切るにも、その何かをロボットの前においてあげて、包丁もロボットに持たせてあげて、スイッチを入れてやっと切る。これを称して「旦那芸」と書いていたのに爆笑したことを思い出しました。

「おいおい定吉や。あたしもそれを切りたいから、持って来なさい。どこに置くか分からないから、おまえ置いとくれ、ちがうちがう、もっと手前だろ、そうそう。え?包丁だって?そりゃ台所の奥にあるから、急いで持って来なさい、早くってんだよ。どれどれ、じゃあ、包丁をあたしの手に持たせなさい」って感じで、それをやっとこさ切ると、店のものだの出入りの職人だの店子だのが、「こりゃ凄い、さすが旦那!筋がいい」

でも、私もロボットのことを笑えなくて、ギターを最初手にした時、間違えて弦を切っちゃったのね、それまで張ってあったやつ。仕方がないので楽器屋にいって、

「ジャズ弾くのにいい弦はどれだい?ああ、それかい、いくら?分かった、お足だよ。それと、張り方分からないから、あんた張ってよ。時間がかかるって?じゃあ、二階で楽譜見とくから、いい頃合になったら取りに降りてくるよ」

なんていう調子だったのです。

蚊遣り豚

蚊遣り豚

8月の猛暑中は雨が少なく、水溜りがあまりできなかったためか、あるいはあの暑さで蚊もやられてしまったのか蚊が出ませんでした。

ところがここへ来て残暑とこの前の台風以来できた水溜りのために蚊が出てきたみたいで、おとといの晩足を4箇所も刺されました。やっと捕まえて叩き潰しましたが、かゆいのなんの。モスフィーという痒み止めを塗りました。

夜なので薬局が寝てしまっているため、セブン・イレブンに行って蚊取り線香を買い、以前から愛用しているブタちゃん(正式には「蚊遣り豚=かやりぶた」と呼ぶそうです、今知りました)にセットして焚き、寝しなに消して安眠しました。寝ながら焚くと防災上よくない上に、のどを痛めます。

夜に写真を撮ったのですが、光の加減と目の周りの脂のせいで凶悪で不気味なハロウィン豚になったので、昼間改めて撮ったという訳です。

「不気味なハロウィン豚」

蚊遣り豚2

千年ケフィア

はらわたの調子が悪いと言って、お上が辞めてしまいましたね。

代わって名乗りを上げたのが福田さんと麻生さん。よい政治をやってくれればどちらでもいいですが、福田さんは美声の上に喋り方が学者風なので、なんだか吸い込まれる。テレビのインタビューなどを見ていてもついついうなづいてしまうような魅力のある声と話し方です。ああいう感じで、落ち着いて、間を大切にし、かつ飄々と話したいと常々思っているんです。

一方で麻生さんは、前田吟さんにクリソツで、そのまま「おい!弥生!」などと言い出しそうです。中小企業のアクの強い社長の声と言った風情です。吉田家という名門でありながら、一代で会社を築き上げたようなバンカラ風味が彼の魅力です。

ところで、お上の腸が良くないということですが、私も腸には気を使っています。

できるだけヨーグルトを食べるようにしているのですが、菌によって相性があるらしく、カゼイ・シロタ株のヤクルトはどうも私に合っていないようです。ブルガリア・ヨーグルトやダノン・ビオも試しましたが、それほど違いが感じられない。私と相性がいいのは「LG21ヨーグルト」と「韓半島キムチ」のようです。キムチは旨みが強いものが人気ですが、私は少し酸っぱいぐらいのほうが好き。ただ、輸入ものは心配があるので色々探していたら、名前は「韓半島」だけれど、国産(国内製造)で、おまけにちょっと酸味があるタイプだったのでよく食べていますが、朝快腸です。

今回テレビで「ケフィア」のCMを散々見せ付けられて、発酵食品大好きな人間としてはひとまず試しておこうと思い、「やずや」に電話して無料サンプルを送ってもらいました。「にんにく卵黄」や「雑穀米」ではこんなに心動かされなかったんですけれどね。

今朝届きました。

ケフィア

今朝飲んだばかりなので効果のほどは知れません。またよかったら報告します。

今月の紅茶 '07-09

「今月の紅茶」も久々の更新です。

これまで特に普段と変わりばえのしない茶を飲んでいたので取り上げませんでしたが、アッサム夏摘みのクオリティーが出ていたので一つ求めました。

Langharjan 1
「ランガルジャン・クオリティー」 ティップの多い紅茶です。去年飲んだ「マランギ」のクオリティーが、今年はFTGFOPといって高級な仕上げになっていて高かったのでよしました。去年はCTCだったんですがね。

Langharjan 2

淹れました。水色があまり濃くありませんが、実は途中で洗濯物を干しているうちにお湯が沸騰してしまい、沸かし抜きの湯を使ったからで、見張りながら注意深く淹れればもっと濃さは稼ぎ出せるかもしれません。

香りは干草のようで、あまり強い個性はありません。渋みと苦味は強いほうですが、後から来ます。当然ミルクティーにしました。

Langharjan 3

ちょっと腰のくだけた色になったのは電話のカメラのせいで、もう少しくっきりと立った色あいをしています。飲み終えるとティーカップに渋がしっかり残り、タンニンの強さを感じさせます。