ここでいうノートとは大学ノートのことで、綴じ方として糸綴じ、リング綴じ、ホチキス綴じなどがあります。それぞれ一長一短ありますが、何度も見返すノートには糸綴じを、スペースの狭いところで使う可能性があるならリング綴じを選ぶといいでしょう。
今回は、日本で手に入る代表的なノートとその使用感について簡単にレポートしてみようと思います。まずは大学ノートの代表、セブンイレブンでも手に入るコクヨの「キャンパスノート」です。
上の写真は最近復刻版としてでた「復刻版キャンパスノート」です。左が初代、順に2代、3代、そして4代(現行)。こうやって眺め渡すと面白いもので、それぞれのノートとそれぞれの時代が私の中でもシンクロしていたりします。中学高校生の時はたぶん初代を使っていたんだと思いますが、その頃はルーズリーフなども使っていてぼんやりとした記憶しか残っていません。一番鮮明に覚えているのは2代目で、大学から院にかけて取ったノートの大半がこのキャンパスノートです。3代目?4代目もしょっちゅう目にしているおなじみのデザインですが、このころになるとたぶん次に紹介するツバメノートやTSノートに移行したのでしょう、ほとんど使ったことはありません。
コクヨよりも知名度は落ちますが、品質が高く、文具マニアの間で有名なのがそのツバメノート(写真)です。表紙のデザインなんか、オーソドックスというか、地味すぎて却ってクールな感じがするほどです(笑)。このノートは紙がフールスキャップといってすかしの入った厚手のプリンとした紙質なので、万年筆や水性ペンで書くのに向いていると思います。私はとくに、「クリームノート」のファンで、これを使って仕上げたノートは結構な冊数になります。
しかし、ツバメノートよりもさらに厚い紙を使った高級ノートがフランスのクレールフォンテーヌです。(写真下)
ただ、ここまで来るとちょっと高級品レベルで1冊300円近くしますから実用的ではないですね。また手に入りづらいノートだと思います。私の場合はいつも行く近所のソニプラで購入しましたが、たまたま入荷されていたという感じでしょうか、次に行ったときは品切れでした。これに万年筆で筆記をすると、すらすらと筆が運びとても楽に書けます。またフロー(インクの流出量)の多いペンでも裏写りを気にせずに書くことができます。現在「アカデミック・ライティング」の授業用ノートとして使っています。
リングノートというとどうしても外せないのが、コクヨのフィラーノート(写真下)です
これはリング綴じで、リーフにキリトリ線とバインダー用の穴があいていて、普段はノートとして使えるけれど、提出するときには切り取ることができ、ランダムに記入していっても後で切り取ってバインダーに整理できるという優れたノートです。アメリカのノートにはよくこの手のものがあるのですが、日本製というとこのフィラーノートしか見かけないように思います。このノートは最近出たものだと思っていたのですが、コクヨ100年物語で調べてみたら驚きました。1961年からの商品なんですね。
実は最初、このノートをクラス全員に買わせてノートの取り方から何から指導しようと思っていたのですが、シラバスを作成していくとどんどん時間がなくなり、結局この案は削ることにしました。「アカデミック・ライティング」のクラスでは使おうと最後まで計画していたのですが、提出物をタイプして出してもらうので、学生に余計な出費をさせても悪いと思いここでも使うことを諦めました。
アメリカでこのタイプのノートというと「ミードノート」が真っ先に思い浮かびます。このノートについてはエッセイを書いていますのでよかったらご覧下さい。