辞書といえばPOD(Pocket Oxford Dictionary)を忘れるわけにはいきません。
この辞書はCOD(Concise Oxford Dictionary)が科学的・散文的定義を載せているのにたいして、人文学的・詩的な定義で有名です。たとえば "dog"の項を見ると次のように書かれています。
Quadruped of various breeds allied from wolf & fox, noted for serviceableness to man in hunting, shepherding, guarding, & companionship, & for antipathy to cats (狼と狐に類する多様な4足動物であり、狩り、牧羊、番犬、友として人に役立つこと、および猫に対する敵意で特徴づけられる)
とりわけ、最後の「猫に対する敵意」のくだりはジョンソン博士の辞書にも匹敵するような主観的でかつ漸減法のレトリックすら感じさせる定義で有名です。国語辞典でも「新明解」の独特な定義法が有名ですが、その源流はここにあるのかもしれません(さらなる源流はジョンソン博士ですが)。