CDプレーヤーを買い換えました(といっても9月の話なんですけれどね)。Denonの1515ALGをこれまで10年間使っていましたが、ディスクトレイを出してもすぐに引っ込んでしまうという症状が出ていたからです。とはいえ、その症状のまま5年は使っていたので、このトラブルが買い替えの決め手ではなく、むしろなんとなく音に満足がいかなくなったのが原因です。
ということであちこち調べていくと、新品で買う場合SACD(スーパーオーディオCD)というハイスペックCDをかけられる機械が、現在では標準仕様になっていることがわかりました。しかし私はそのSACDを一枚も持っていないので、なんとなく「無駄だなぁ?」という気がして中古でCD専用プレーヤーを買うことにしました。
結局オーディオユニオンのセコハンショップで購入したのがこれ。
10年ほど前に発売されたSONYのxa50ESです。当時は高くて手が出なかったものですが、中古で半額になっていたので少し無理をして購入しました。この機種は「光学固定式」などと呼ばれていて、レンズのついたピックアップが移動するのではなくディスクトレーが移動して信号を読み取ります(それにどんなメリットがあるのかはよくわかりませんが)。そのためか、CDをトレイにセットした上に錘(インシュレーター)を載せます。その様子が下の写真。
かけてみると、なるほど正確な音で、これまでのプレーヤーでは聞こえてこなかったようなニュアンスが聞き取れます。ギターなども、以前の機械だと単に音階が演奏されていたかのように、今度の機械ではプリンとしたはじくときの音などが取り出されました。また、低音が豊かなのだけれど締まりのない前機種と比べると(といってもグレードが違うので当然ですが)ベースやバスドラも締まった分、プレゼンス(定位)が良くなりました。
また、この機械には可変デジタルフィルタなる機能がついていて、これによって音が変わるという話がマニュアルにも載っていましたが、ジャーゴンの嵐で読んでいてもちんぷんかんぷん。仕方がないので自分の耳で確かめることにしました。
使ったCDはオスカー・ピーターソンの『プリーズリクエスト』。
このアルバムの6曲目"You Look Good to Me"が、私がオーディオチェック用にしている曲です。聴き所はイントロでアルコ(弓)弾きされるレイ・ブラウンのベースの下がどこまで出るか、その後アルコを置くときに出るガチャガチャがどれだけリアルか、指弾きに変わったベースがどれだけ締まって弾むか、エド・シグペンのブラッシュがどれだけ高く上がって左右のスピーカーに虹をかけるか、そしてエンディングでブラッシュを止めたときどれほどビジュアルに虹が収まるか、といった点です。え?オスピーのピアノはどうしたって?実はこのレコード、ピアノに関してはあまりいい音ではないんですね。ピアノ録音はまた別のCDでチェックしたりもしますが、上記のポイントが上手くクリアーされていれば大体のソースに対応できるというのが私の経験です。
ということで、可変デジタルフィルタのポジションを替えつつ聴き比べをしてみました。
Standard:「レンジが広い」とマニュアルにはありましたが、広すぎるせいかベースの下が薄くなるのと、ブラッシュが詰まった感じの音になる。古いジャズには向かない。
ポジション1:Standardポジションより音が濃くなった感じ。
ポジション2:さらに音が濃くなって、前にせり出してくる。ベースの下やシンバルの上がはっきり見えてきた。
このほかアナログポジションなどもありますが、どうもポジション2で決まりというお告げがあったようなので(笑)、このポジションをジャズのスタンダードにしました(その後いろいろ試して、たまに聴くクラシックはStandardで、ボーカルものはポジション1で聴いたりしています)。