Knowledge is of two kinds.

Knowledge is of two kinds. We know a subject ourselves,
or we know where we can find information upon it.
--- Samuel Johnson (Boswell's Life of Johnson)
(知識には2種類ある。ある主題について私たち自身で知っている事とその情報はどこで見つける事が出来るかを知っている事だ)
ボズウェル『サミュエル・ジョンソン伝』の有名な一節は、さらにこう続く:When we enquire into any subject, the first thing we have to do is to know what books have treated of it. This leads us to look at catalogues, and at the backs of books in libraries.(私たちが何かのテーマを調べようとする時、最初にすべき事はどの書物がそれを扱っているかを知る事である。そういうわけで、私たちはカタログや図書室に並ぶ本の背表紙をながめるのだ。)図書室で本のほうへすっ飛んでいき、熱心に背表紙を眺め始めたジョンソン博士が「そんなに背表紙がお好きとは妙な癖もあったもんですね」と言われて、即座に返した寸鉄がこれだ。パソコンを見るとすっ飛んでいき、その前に何時間でも座っている人が「ネット中毒ですね」と非難されたらこう言い返せばいいというお手本である。ネットはたしかに、図書館やカタログよりもさらに調べやすいツールである。いわば2番目の知識をどこまでも簡易化、標準化しようというエートスが端的に具現化したようなものである。もはや誰でも、調べたい事を即座に調べる事が出来るようになっている。あとは「何を調べるべきか」という倫理的問題だけが残されているだけかもしれない。

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