It will come

It will come
Humanity must perforce prey on itself,
Like monsters of the deep.
           (King Lear. 4. 2. 48-50)
(きっと来る
まるで深海に棲む化け物のように
人間が人間を餌食にする時が。)

嫁ゴネリルのリア王に対する非道を叱って、夫オルバニー公が述べる台詞である。お前たちのような非道を天が懲らしめなければ「きっとこんな時代が来る」と言っているわけだ。これは当時の状況にも当てはまっていたであろうし、現代にも当てはまる事態である。だが、ここでも間接的にほのめかされているように、現実の不条理さを説き起こすのに、あたかもそれ以前はもっとよい時代であったかのように示されるのは、実は私たちがいま望んでいる理念や規範を一方的に過去の中に読みこんで物語化しているに過ぎない、という点にも注意しなくてはいけない。でないと、本当に深海に棲む化け物のような者達の餌食になってしまうかもしれない。

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