つい先日テレビを観ていたら、最新技術を駆使したロボットの特集番組をやっていました。
自力で立ったり崖っぷちまで来るとぴたりと止まったり凄いロボットが紹介されていたんですが、中には人間の側でいろいろセットしてあげて、やっと作業ができるというものもあって微笑ましく観てました。
南伸坊が書いていましたが、彼が博物館に行って見せられたロボットが、まあ人手を煩わすこと甚だしい。何かを切るにも、その何かをロボットの前においてあげて、包丁もロボットに持たせてあげて、スイッチを入れてやっと切る。これを称して「旦那芸」と書いていたのに爆笑したことを思い出しました。
「おいおい定吉や。あたしもそれを切りたいから、持って来なさい。どこに置くか分からないから、おまえ置いとくれ、ちがうちがう、もっと手前だろ、そうそう。え?包丁だって?そりゃ台所の奥にあるから、急いで持って来なさい、早くってんだよ。どれどれ、じゃあ、包丁をあたしの手に持たせなさい」って感じで、それをやっとこさ切ると、店のものだの出入りの職人だの店子だのが、「こりゃ凄い、さすが旦那!筋がいい」
でも、私もロボットのことを笑えなくて、ギターを最初手にした時、間違えて弦を切っちゃったのね、それまで張ってあったやつ。仕方がないので楽器屋にいって、
「ジャズ弾くのにいい弦はどれだい?ああ、それかい、いくら?分かった、お足だよ。それと、張り方分からないから、あんた張ってよ。時間がかかるって?じゃあ、二階で楽譜見とくから、いい頃合になったら取りに降りてくるよ」
なんていう調子だったのです。