手術
白山の学校でも学生に話して笑われ(/_;)、同僚の先生に話して「是非手術を受けなさい」と励まされたりした。ある先生は姑の介護中に人差し指を骨折し、介護の忙しさで病院にも行かなかったら指が曲がらなくなったと、その指を見せて励ましてくれたりした。そうした声に背中を押され2時過ぎに八王子に着き3時からの手術のため病院に。
手術室は地下にある。この時点で「手術に失敗したときそのまま闇から闇へと葬り去るために地下なのではないか」と勘ぐり始める。手術服に着替えさせられ、手術台に寝かされる。ナースたちはこちらをリラックスさせようといろいろ話しかけてくれるが、上の空。そのうち心電図や脈拍を計る電気的なものを貼り付けられ医師の到着を待つこと数十分。
まず麻酔ということで、脇の下に注射を打つ。これはライン麻酔といって五指に通じる神経の付け根を狙って麻酔をかける技法だそうだ。
「まず、小指に電気走りますから、そしたら言ってください」
ふむふむ、電気ね、発電に使えたらいいの、、、ギャー、イタタタタ><
「はい、麻酔入れます」
ふう
「次、中指に同じような電気が・・・」
待てい待てい、一発目は何が来るか分からず抜き打ちだったから我慢できたが、同じものが来ると分かって待つのかい??志ん生も「昔は急に嵐が来て、嵐だってことになったが、いまは来る前から嵐が来ると分かっているから、待ってる間も・・・」
「ちょっと力抜いてください」
「あの痛さ経験したいま抜けるか、アホ」と心の中で唱えつつ、「あ、はい」と曖昧な返事をしているさなか、第二便到着、ぎょえーー。
「次、親指行きます」
「いえ、来なくて結構です」
「親指は、神経の周りに注ぐのでさっきみたく痛くないですから」と言っている間に行ったみたいで、気づかないうちに終わっていた。
やがて麻酔も効いてきて、左手が他人の手になったので手術開始。
ところで、よく考えれば当然だが、手術室というところは医師やスタッフ、患者をリラックスさせるために音楽が流れているんだね。私の時は徳永英明の『ボーカリーズ』。私としては「セントジェームス病院」でも流れていた方が気分が出たのだが、プリプリの「M」なんか流れていい感じで聞き惚れていると、手術開始とともに流れてきたのが沢田知加子オリジナルの「会いたい」。これ恋人が急死する歌で、若い恋人の急死って言ったら交通事故か手術ミスでしょ?「ナースさん、オレ死ぬんかな?」という渾身のボケを軽いタッチで流され、あっという間に手術終了。遠くでドリルが回っている音がしただけだった。その時間およそ10分。手術の執刀医は諸橋先生だったが、そばに名嘉先生もいて「宗教上の教義に反しませんでしたか?」と聞かれたので、正直に嘘だったと話すと、「やっぱり」。やっぱりこの先生侮れんわ。