[八王子スーパー強殺]30日で12年 情報提供呼び掛け

もう、あの事件から12年も経つんですね。夏の暑さと手口の残忍さで私にとっても忘れられない事件でした。

 東京都八王子市のスーパーで95年、高校生ら女性店員3人が射殺された強盗殺人事件は、30日で未解決のまま12年になる。警視庁八王子署捜査本部は22人態勢で捜査を続けており27日、JR八王子駅前で情報提供を呼び掛けた。時効まで3年。遺族や同級生は犯人に「人の心があるなら、早く出てきて罪を償って欲しい」と必死に訴える。

 「1日たりとも恵のことを忘れたことはありません」。桜美林高2年だったアルバイト、矢吹恵さん(当時17歳)の母恵美子さんは話す。

 事件は95年7月30日午後9時15分ごろ、閉店直後の「スーパーナンペイ大和田店」2階事務所で起きた。恵さんは同僚の都立館(当時)高2年、前田寛美さん(同16歳)、稲垣則子さん(同47歳)とともに犠牲となった。金庫にも弾痕があったが、中の500万円はそのままだった。

 「恵がいつも見守ってくれていたから、私は今日まで生きて来られたんです」。恵美子さんは絞り出すように話し「時効までに絶対捕まると信じています。人間の心が残っていてほしい」と出頭を呼び掛ける。

 恵さんの中高の同級生、鷹野めぐみさん(29)は高校時代、毎日一緒に登下校した。「保母さんになりたい」と話す親友の笑顔が今も思い浮かぶ。事件の数日前、立川市の花火大会に出かけた。「近くなったらまた連絡するからね。バイバイ」。八王子市の花火大会(8月)に行く約束をして別れる際に聞いた言葉が、最後になった。

 鷹野さんは事件直後、同級生らと銃器根絶を考える会を作り、事件が繰り返されないよう活動した。立川の花火がある28日、母校で仲間たちと祈る。「犯人には『今、何を考えているのか』と問いたい。捕まったら、殴りかかるでしょうね」。そうつぶやいた。

 情報は捜査本部(042・646・4240)へ。【神澤龍二】     毎日新聞

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